と、そのとき、後ろから「ピロリロリ〜ン」と、ケータイのメロディのような音がしました。はびと体を飛び上がらせ、ブリーフとズボンをあわててずり上げながら、後ろをふり返りました。
 カーテンのすき間から、男の人のすがたが見えました。ずんぐりとした体つきで、年は40才くらい、大きなレンズの眼鏡をかけていて、顔に少しだけ見おぼえがありました。おなじ団地の、ちょうど下の階に住んでいるおじさんでした。何回かあいさつを交わしたことがあったのをは思い出しました。
 どうしよう。
 どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう。
「やぁ、見つかっちゃったみたいだねえ」
 おじさんが言いました。
「君、たしかうちの上の階のお家の、子どもの、だよね」
「……」
 ははずかしさに思わずまっかになりました。顔から火が出そうです。頭の中はまっしろで、一体どうしたらいいかまったく分かりませんでした。
「だいじょうぶだよ、心配いらない。他の人には言わないから」
 おじさんが小さな声で優しく言いました。はふっと顔を上げます。
「これは、おじさんとだけのひみつだ。いいね」
 なんと言っていいのかわからず、はコクンとうなづきました。まだ心臓がどきどき言っています。
「ちょっと上がるよ」
 おじさんはそう言うと、くつをぬぎ、のいる試着室の中に入ってきて、カーテンをまたシャッと閉めました。中はすっかりぎゅうぎゅうになりましたが、でもまだなんとか動くスペースはありそうです。おじさんはその場でしゃがみこみ、と向きあって視線をあわせると、続けました。
「でもね、おじさん、最初からずっと見てたんだよねえ……」
 最初から、という言葉にはまたびくっとして、それから顔を赤らめました。あまりのはずかしさには思わず泣きだしそうになりながら、おじさんの言葉を聞いています。
「ダメだよ、あんないやらしいことしちゃあ。ほら、写真もちゃんととってあるんだよ」
 そう言うと、おじさんはズボンのポケットからケータイ電話をとりだし、開いてその画面をに見せました。そこには、のはずかしい様子がちゃあんと写っています。下半身はすっぽんぽんのまま、大きくなったおちんちんとちっちゃな舌を鏡にすりつけて、いやらしい姿をさらしています。
「だめぇー!」
 はあわててそれをつかもうとしましたが、おじさんはそれをひょいとよけて、口にしーっと指を当てました。
「だめだよ、そんな大声上げて、人に見つかっちゃったらどうするの」
「だって……」
「これ、消してほしい?」
 は、半泣きのままうなづきます。
「じゃあねえ、それなら、さっきのをもう一回、おじさんの前でやってくれたら、消してあげてもいいよ」
 おじさんが言いました。は半分ぼうぜんとしています。
「ほら、おちんちん、出して」
「やぁだぁ……」
 は首をふります。
「ほら、早く」
「やだぁ……」
「どうして?」
「だって……」
「はずかしい?」
 はことうなずきました。
「だいじょうぶだよ。だって、おじさんもうさっき見ちゃってるんだもん。おんなじだよ」
「……」
「ほら、、おじさんの言うこと聞けるよね?」
 そう言われると、は、はずかしさに半ズボンから出たすべすべの足をもじもじとさせました。しかしおじさんは、を急かすようにして、
「ほら、自分からぬぎぬぎしないと、おじさんがぬがしちゃうよ」
 おじさんはに近づき、半ズボンに手をかけました。そのままズボンのゴムの部分に指を入れて、両手でいきおいよくずり下ろします。
「やっ! やだぁ〜」
 は顔を赤らめて、またいやいやと首をふりました。があわててつかんだにもかかわらず、半ズボンはのひざの辺りまでずり下ろされ、またもやまっしろなブリーフがあらわになりました。ブリーフの下のおちんちんも、むくむくと大きくなり始めていました。
「あはは、のおちんちん、大っきくなっちゃってるよ?」
「やぁあ〜……」
 はまたはずかしそうにします。半ズボンを引き上げようとするのですが、おじさんの力のほうが強いので、なかなかうまくいきません。おじさんはそれにかまわずに、今度は半ズボンをつかんでいた手を片方はなして、その手の指で、大きくなっているのおちんちんを、下から上に優しくすうっとさわりました。
「ゃああん……!」
 は思わず声を出してしまいました。すごく、よかったのです。いつも自分でさわったりしているのよりもさらに良かったのではついうっかり、半ズボンをおさえている手の力をゆるめてしまいました。あっ、と気付いたときには、の半ズボンはあっというまに下までずりおろされ、はまたさっきのようにブリーフ姿になってしまいました。
「あ……」
「いいから、そのままにしててごらん」
 おじさんはそういって、それからまた、ブリーフの上からのおちんちんをもみもみとさわってきます。ははずかしかったのですが、おちんちんをやさしくさわられるのも気持ちよかったので、どうしよう、と思って、しかたなくおじさんのなすがままになっていました。
「あっ、あっ、んっ……」
 はやはり気持ちよくって、ちいさく声を出します。その声に合わせて、おじさんも、のおちんちんをさわる手の動きを早めていきます。はたから見てみれば不思議な光景です。半ズボンを下までおろして真っ白いブリーフをあらわにしているちいさな男の子が、そのお父さんくらいの年の男の人に、おちんちんをブリーフの上からさわさわさわられていて、その男の子はうっとりとした表情をしているのです。
 の息もだんだんあらくなってきました。おじさんも、がもうていこうしないと分かると、のズボンをおさえていた手をこしにまわし、すっかり熱をもったの両ももをかかえこむと、そのままゆっくり自分のもとに引き寄せました。はすっかりおじさんのなすがままなので、いつの間にかゆかにあぐらを組んでいるおじさんのひざの上に引き寄せられ、胸元に体をあずけてだきかかえこまれるような形になりました。あいかわらず、ブリーフの上からおちんちんをいじる、おじさんの手は止まりません。それどころか、動きはより大たんになり、手のひら全体でおちんちんを優しく転がしたかと思うと、なで回すようにし、時にもみもみともんできます。それにとどまらず、そのおちんちんの下のたまたまや、またの下、さらに毛など一本も生えていないつるつるの太ももにまで手をのばし、ある時はやわらかく、またあるときは激しく、もみしだきます。両手の間にはさみ、こすって、力を加えます。
「あぁん、あぁっ、あぁっ、あぁん……」
 はもうほとんど目を閉じ、耳まで真っ赤になって、口でははぁはぁと色っぽく息をしながら、体をもう完全におじさんに預けています。ときどき自分でも自然に、おじさんの手の動きに合わせてこしを動かしているくらいです。のおちんちんはもう限界まで大きくなって、時折ぴぴと動いています。おじさんはころいを見はからって、さりげなくブリーフのゴムの部分に両方の親指をつっこんで、さっとすばやくのブリーフを、太もものあたりまでぬがしてしまいました。
「あっ……」
 はぼんやりと目を開け、はずかしそうに声を上げました。毛も生えていない、きれいで大きく立ったおちんちんがそこにありました。おじさんの目線を感じたのか、のおちんちんは上を向いたまま、ぴ、とゆれました。
「あはは、動いたね、のおちんちん」
「んん……」
「もう1回、やって」
 おじさんがそう言うと、は言われたとおりに、またおちんちんをぴ、と1回動かしました。
「ははは、えらいねえ」
 おじさんはそう言って、右手をのおちんちんの根っこまで持っていきました。手の先をそこにぴたりと当てると、おじさんは、今度はごほうびとばかりに、そのまますうぅーっと真ん中のすじを、カリの部分まで一気になぞりました。
「ふああああああん……」
 は、また思わず声を上げてしまいました。おちんちんも、ぴ、ともう一回はね上がります。おじさんの大きな手は、の皮かむりのおちんちんの先っぽをつまむと、それからゆっくりと皮をむくように下ろしていきました。皮はするりと向けて、中からピンク色のかわいいきとうがあらわになります。おじさんはそうすると、むいたおちんちんの皮をまたもどすように先っぽへと動かし、再びのおちんちん全体を包みこむように優しくにぎりました。
「んぁん……」
 の口から声がもれるのを確認しながら、おじさんはまた皮をむくように、にぎった手をおろします。
「あっ、ん……」
 そしてまた、にぎった手を上に移動させ、それからまた、ゆっくりと下げます。
「……んあっ、ああっ……」
 おちんちんをにぎったおじさんの手は、ゆっくりと上下をくり返していきます。は、今までにない快感がおちんちんのカリの部分から来ているのを感じていました。おじさんの手は止まらずに、さらに横からもう一方の手が、のたまたまを包みこむようににぎると、ほぐすようにももみしだき始めました。
「あぁっ、あぁっ、あぁん、あぁっ」
 たまたまとおちんちんの両方からのマッサージに、はもう完全に我を忘れていました。それぞれの手は次第にその動きを速めていきます。それにともなって、の口からもれる声もどんどん激しくなっていきます。
「あっ、あっ、あぁっ、あぁっ、ああぁぁっ」
 声を出しながら、はだんだんおしっこがしたくなってきました。早くトイレに行っておしっこをしないといけません。
「あぁっ、あっ、だめっ、だめぇっ」
「え?」
「あっ、おしっこ、おしっこっ」
「いいよ、ここで出しちゃえ」
「うぁっ、あっ、やっ、やぁっ……」
「早く」
「あっ、やっ、や、やぁっ」
 は声を出しながらおしっこをがまんしようとしましたが、ていこうしようとしても、おちんちんをしごかれるのがあまりに気持ちよくて、ついに、とうとう、がまんしきれなくなってしまいました。
「やっ、あんっ、やっ、あっ、あっ、あ、あ、あ、あ、ああ、ああああ、あああああ―――っ!!!」


***


「……? 起きなさい」
 体をゆり動かされて、は目を覚ましました。気が付くと、いつの間にかは試着室の中で、ちゃんと上はポロシャツを着、下はパンツと半ズボンをはいて、ゆかに丸くなってねていたのでした。目の前にはのお母さん、それに、その後ろにお父さんとお姉ちゃんが立っています。はきょろきょろと回りを見回しましたが、さっきのおじさんの姿はどこにも見当たりませんでした。
「たいくつで、ねむくなっちゃったのかな」と、お父さんが言いました。は本当のことを言おうとしたのですが、なんといったらいいのか分からなかったので、けっきょくだまっていることにしました。
「さ、帰るわよ」とお母さんが言って、の手を引いて立ち上がらせてくれました。は、お母さんたちに連れられると、ぼーっとした意識のまま、そのお店を後にしたのでした。


 ですが、あのケータイの写真があの後どうなったかについては、にはついに分からずじまいでした。

<前にもどる> <目次にもどる> <続きを読む>