にはあるひみつがありました。
 それは、自分のおちんちんをいじったりするのが大好きだということです。
 最初にそれに気付いたのは、がまだ保育園のときでした。
 には仲のいい、2こ上で体の大きな男の子のお友だちがいました。その子の名前はと言いました。
 の家との家は、同じ団地のおとなりさん同士で、ふたりの年が近かったこともあり、お母さんたちのほうが意気投合して、そのためには、しょっちゅうの家に遊びにいったりしたのでした。
 の家にはゲームやマンガがたくさんありました。はゲームもマンガもほとんど持っていなかったため、の家に行くのは毎回の楽しみでした。
 その日もは、リビングでお茶を飲んで話しこんでいるお母さんたちを放っておいて、とたたみの部屋でゲームをしていました。
 でも、長いこと遊んでいると、やがてあきてしまい、ふたりはコントローラをほっぽり出すと、何か別の遊びはないかと探すことにしました。お母さんたちは夕方おそくになるまで、しばらくお茶会をやめるつもりはないようでした。
「ひまだぁ」
 が言いました。
「ひまだねー」
 とも言い、「うん、ひまだなー」とが返しました。そうしてふたりして顔を見合わせると、それが何だか可笑しくて、ふたりでくすくすと笑い合いました。
「あ、そうだ」
 がふと何か思いついたのか、そう言いました。それから立ち上がると、の手をとって、
「行こ」
 と言いました。
「どこに?」
「トイレ」
 トイレ?と、は思いました。は、ちっともトイレになんて行きたくなってなかったからです。でもが言うので、も仕方なくのあとについて行くことにしました。はたたみの部屋を出て、を連れてろうかを横切ると、洗面所のトイレの中へ、を連れこんで、ふたりで入りました。
 そして、中からドアノブについているボタンをがちゃりとおしこんで、カギをかけました。
「これで、ドアにカギがかかるんだよ」とが言いました。そんなことがそのボタンでできるなんて知らなかったので、は、「えぇ!」とおどろきました。
「まわしてごらん」
 とが言うので、がちゃがちゃと回してみますが、そのとおりに全く開きませんでした。
「こっちの下のボタンをおせば、元にもどるんだ」
 とが言い、そのとおりに実演してみせてくれました。はカチャンと下のボタンでロックを外し、またドアを開け、それから再びカギをかけて、ドアがひらかないのを確認しました。おもしろそう、とは思ったので、に代わってもらって、2,3回それをくり返してあそびました。
 そのカギで遊ぶのをやめると、はあらためて、と向き合いました。はそのとき白いポロシャツに半ズボンをはいていました。も同じくグレーのポロシャツに、半ズボンをはいています。トイレの中はかなりせまいので、ぎりぎりまでおたがいに近づいていないと入りません。は自分よりちょっとだけ背のたかいの顔を見上げて、
「ねぇ、なにするの?」
 と聞きました。はしーっ、と口にゆびを立てて、
「ともだちんこって知ってる?」
 と、ちいさな声で言いました。は首をふります。
「ちんちんとちんちんのさ、先っぽを、くっつけあうんだよ。そうすると友だちになれるんだって」
「ふぅーん」
「やろう?」
 そう言うと、は、自分で自分のズボンをずるりと、ひざまで引き下げました。下から、真っ白な子ども用のブリーフがあらわになります。
 それから、今度はそのブリーフから、ぽろんと自分のおちんちんを出しました。のおちんちんは皮かむりで(のとおんなじです)、つんつるてんでした。
 がおちんちんを出したので、もおなじように半ズボンを下ろして、ブリーフからおちんちんをぽろんと出しました。くらべてみると、こころなしか、ほんのちょびっとだけのおちんちんのほうが大きいように見えました。は、自分のおちんちんを手で持ちました。それを見て、もおなじようにおちんちんを持ちます。
「いい? せーの」
 ふたりはこしをまえにだして、おたがいのおちんちんをぴとっ、とくっつけました。
「ともだちんこ〜」
 と、がちいさな声で言いました。もおなじように、「ともだちんこ〜」と言いました。こんなところをお母さんたちに見つかったらたまりません。でもそう思うと、のおちんちんはだんだんむくむくと大きくなりはじめました。見ると、のもちょっとだけ大きくなっています。ふたりは一度おちんちんをはなして、それからが、
「皮、むける?」
 と言いました。はお父さんから、おちんちんはこうやって洗うんだよ、という風におふろでおちんちんの皮のむき方をおそわっていたので、ぺろん、と簡単にむくことができました。も自分のおちんちんの皮をぺろん、とめくり、さっきよりもさらに大きくなった、そののよりも大きいおちんちんを、ふたたび前へとつきだしました。もおちんちんを前につきだします。ふたりの、大きくなって皮のめくれたおちんちんの先っちょが、ふたたびくっつきます。
「ともだちんこ〜……」
「ともだちんこ〜……」
 ふたりで、こんどはいっしょに、小声でささやきます。はだんだんとうっとりしてきました。ほっぺは真っ赤で、お口を小さくぽかんと開け、目はとろんとしています。
 その時、は、おちんちんを持っている手のひらで、おちんちんを包みこむように持って、もみもみともむと、さらにおちんちんが大きくなることに気付きました。はおちんちんをもみもみさせて、さらにいやらしい気持ちになりながら、同じく顔を赤くしてぽーっとしていると、またおちんちんをくっつけ合います。
「ともだちんこぉ〜……」
「ともだちんこぉ〜……」
 そう言って、ふたりはおちんちんをもみもみし合います。だんだん、ふたりのおちんちんをもむ手の動きが、はげしくなっていきます。
「あぁん、すごい、おちんちん、でっかくなっちゃうぅ……」
「あぁー、どうしよう、でっかくなっちゃうう、あぁ、あぁん……」
 ふたりは、さらに自分たちの手でおちんちんをもみもみします。そしてまたおちんちんをくっつけあい、それをすりつけ合わせて、ふたりの手で両方のおちんちんを包みこみながら、はげしくもみしだきます。
「あぁ、あん、おちんちんがぁ、あぁん……!」
「あっ、あん、おちんちん、あぁ、あぁぁ、あぁぁぁん……!」
『――ー? 帰るわよー』
 ふたりは、急にびと体をふるわせました。外のリビングから、のお母さんの声がしたのです。どうやら、いなくなった2人のことを探しているようです。
 ふたりは顔を見合わせて、急いで、自分たちのブリーフと半ズボンを、足元から引き上げると、あわててトイレの外に飛び出しました。
 時間は、もうとっくに夕方の時刻を過ぎていました。
 がリビングにもどってくると、お母さんたちは安心して、2人がどこで何をして遊んでいたのか全く気にせずに、それじゃあ、と軽いあいさつを交わして、そのお茶会はお開きとなりました。
 お母さんに連れられて、がげんかんで、くつをはいていると、ふと後ろをふり向いたときに、リビングの向こうからひょっこり顔をのぞかせていると目が合いました。
 は、さっきトイレに入ったときに最初にやったみたいに、口にしーっと指を当てて、ないしょの合図をしました。
 もしーっと、にこにこ笑いながらその合図を返しました。
 さよならをして外に出て、家のげんかんのドアが閉じると、はお母さんと今日の夕飯の話をしながら、もとの家へ帰ろうとしました。と、そのとき、お母さんがの半ズボンを見て、何かに気付きました。
「あら? 、チャック開いてるわよ」
「えっ!」
 がおちんちんの場所に手を当てると、確かに半ズボンのチャックが開いていました。おそらく半ズボンをぬいで、ひざまで下ろしたときに開いていたのがそのままになっていたのでしょう。ははずかしがりながら半ズボンのチャックを閉めると、えへへ、と小さく、照れ笑いをしたのでした。

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